アントワープ。それはth、ひいてはデザイナー堀内太郎氏を語る上で切っても切れない関係である。
2年前、新たな才能を探している中でウィメンズブランド「TARO HORIUCHI」に送った一通のメール。もしかしたらメンズアイテムなど展開していないかと淡い期待を乗せて駄目元で送りましたが、届いた返信メールには期待以上の言葉が。 "実はメンズラインを次シーズンから立ち上げる" と。それがthと僕との出会いになります。
メールを送ったのが既に展示会終了後だったのもあり、ファーストコレクションはサンプルを見てオーダーは出来ませんでしたが送られてきたLOOKと堀内氏の経歴を見て驚愕し高揚したのを今でも鮮明に覚えています。
(経歴などについては過去の投稿を見てもらえれば詳しく書いてます→HERE)
001/AW18
マルタン・マルジェラやラフ・シモンズ、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、ヴェロニク・ブランキーノ、A.F.ヴァンデヴォーストといったアントワープを拠点とする錚々たるデザイナーのビジュアルを支えた写真家ロナルド・ストゥープスが撮り下ろしたthのコレクション。コントラストの効いたモノクロのシャープな世界観に一瞬で惹き込まれ興奮を覚えるのは決して僕だけではないはずです。そこには僕(ら)が憧れを抱いていた美学が随所に感じられ、どこかノスタルジックさえ感じさせてくれる。
そんなシャープでクールなイメージの中のモデルが着ている洋服は、当時まだまだトレンドであったロゴやオーバーサイズのシルエットなど一切見られない細身でシンプルなデザイン。だからこそカッティングや素材の美しさが際立つミニマムなデザインの洋服はロナルド・ストゥープス氏の作り出すイメージと共鳴し合い、静かだが力強く鮮烈な印象を与えます。
002/SS19
004/SS20
そして、それは5シーズン目となる005/AW20コレクションでも健在。
当店では決して爆発的な拡がりを見せるわけではないですが、シーズンを追う毎に一人一人に着実にブランドの美学が浸透している印象を受けます。そして、それがとてもthらしいなと。
最近では自身のブランドとは別にLCCの制服デザインを手掛けたり、「Mame Kurogouchi」と組んで縫製工場を立ち上げたりといった活動も精力的に行っているのでニュースなどで目にする機会も多くなっています。
そしてこの度当店ではthと組んで初となるオーダーイベントを今週末に開催致します。
勢いに乗って詳細もお伝えしたいところですが少し長くなってきたので2回に分けます。